地域医療連携課概要
当院では、地域の医療機関との有機的な連携を行うことを目的として、地域医療連携課を設置しています。
その管轄下にある入退院支援センターにおいては、患者様のご紹介、逆紹介及び医療福祉相談などを、社会福祉士3名、看護師1名がそれぞれ対応しております。
近年は、医療従事者のご家族やご親族のご紹介が増えております。様々な状況の患者様が可能な範囲で安心して医療介護を受けることができるよう、引き続き皆様のご期待に添えるよう精進してまいります。
全室個室病室である当院への入院について
- 当院への入院・転院をご希望される場合、まずは当院地域医療連携課(直通電話 076-478-3011)までご連絡ください。
入院までの流れをご説明致します。 - 現在の入院先、かかりつけ医療機関で診療情報提供書を作成して頂き、当院へファックスして頂きます。
厚生労働省が定める医療区分に基づき、当院入院・転院の可否を判定させて頂き、結果をご連絡致します。 - 電話でご予約のうえ、病状に詳しいご家族様にご来院していただきます。その際、入院時に提出いただく書類等をお渡し致します。
当院の特徴について
差額ベッド代なしで全室個室の療養環境
当院の病室は全室個室であり、洗面台も全室に完備しております。個室料金(差額ベッド代)はありません。
全室個室のため、基本的に患者様同士の濃厚接触もありません。
当院では、地域の患者様が多床室にありがちな余計なストレスを感じることなく、自宅同様プライバシーが守られた快適な空間で療養することが可能です。
また、北陸の冬は雨や雪が多く、風も強い日が多いことから寒い日が多くなりがちです。寒い冬場は足元からの冷えがつらいものですが、当院では全室に床暖房を完備しております。床暖房は足元から暖めてくれるので、患者様は快適に療養することができます。
医療必要度の高い患者様の受け入れ
急性期基幹病院からポストアキュート、すなわち人工呼吸器、気管切開、中心静脈栄養、悪性腫瘍、慢性心不全や呼吸不全に対する酸素療法、褥瘡、インスリンコントロール、輸血が必要な疾患等、医療必要度の高い患者様を受け入れております。
また、外来や居宅系施設からのサブアキュート、すなわち軽度の肺炎や尿路感染症による短期入院も受け入れております。
末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)による中心静脈栄養
近年、我が国では中心静脈カテーテル挿入における穿刺時の致命的な合併症が大きな問題点となっており、2017年3月には日本医療安全調査機構より医療事故の再発防止に向けた提言第1号として「中心静脈穿刺合併症に係る死亡の分析」が報告されました。この中で、中心静脈カテーテル挿入の適応については、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)による代替を含め慎重に決定するよう提言がありました。
当院では中心静脈栄養が必要な患者様が多く、より安全に処置を行うためにGEヘルスケア社の穿刺用超音波Venueを用いて末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を挿入し、中心静脈栄養を行っております。
なお、当院では末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)の挿入にあたり、原則として全例でオラネキシジングルコン酸塩(オラネジン®)による皮膚消毒を行い、マキシマルバリアプリコーション(高度無菌遮断予防策)の下で処置を施行しております。
オラネキシジングルコン酸塩(オラネジン®)は、従来用いられてきたヨウ素系消毒薬と比べて、手術部位感染を有意に低減することが明らかになっている消毒薬です。
当院では医療安全だけではなく感染予防にも注力し、より安全で安心して頂ける医療を提供するよう取り組んでおります。
多職種連携(InterProfessional Work:IPW)によるチーム医療の推進ついて
かつての医療はピラミッド型組織の頂点にある医師中心で診療を行ってきましたが、現代の医療はフラットな組織で専門性の異なる職種が連携しながら診療を行う多職種連携(InterProfessional Work:IPW)によるチーム医療へと変化してきています。
また、当院に入院されている患者様は複数疾患に罹患している高齢者が多く、それぞれの生活や社会背景も様々です。このことも、当院で多職種連携が重要な理由でもあります。
当院では、摂食嚥下サポートチーム(SST)、血管アクセスデバイスチーム(VAD Team)、栄養サポートチーム(NST)、排尿自立支援チーム(CCT)、褥瘡対策チーム(PUT)、認知症ケアチーム(DCT)などが多職種連携によるチーム医療を行っております。
摂食嚥下サポートチーム(SST:Swallowing Support Team)
1)摂食嚥下サポートチームについて
摂食嚥下とは、食べ物を認識して口の中に入れて飲みこみやすい形態にして、食道から胃までと送り込む一連の流れのことをいいます。
普段は何気なく行っていますが、この一連の流れに障害があることを摂食嚥下障害といいます。
当院の患者様は、ご高齢の方が多く、脳梗塞後遺症や慢性心不全、担癌状態、パーキンソン病、認知症など様々な疾患を抱えておられます。加齢や認知機能の低下、各種疾患などにより摂食嚥下障害があると、栄養摂取量が不足したり誤嚥性肺炎の発症につながる可能性があります。誤嚥とは、本来食道に入るべき唾液や食べ物が摂食嚥下機能の低下から気管に入ってしまうことをいい、誤嚥が原因で生じる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
当院では摂食嚥下障害が疑われる患者様に対し、医師(金沢医科大学病院 摂食・嚥下センター 助教 川上 理医師及び専任医師)・歯科医師(北陸では唯一の日本老年歯科医学会摂食機能療法専門歯科医師 長谷 剛志歯科医師)・看護師(中田 陽平 摂食嚥下障害看護認定看護師、設樂 栄幸 摂食嚥下障害看護認定看護師及び専任看護師)・言語聴覚士・作業療法士・理学療法士・歯科衛生士・管理栄養士で構成された摂食嚥下サポートチームがアプローチし、多職種連携によるチーム医療を実践しています。
また、金沢医科大学病院 摂食・嚥下センターと連携し、VEカンファレンス(嚥下内視鏡カンファレンス)での診断と治療のディスカッション等により、最新の知見を取り入れつつ医療の質向上を目指しています。
活動内容
・摂食嚥下サポートチームによるカンファレンス
・口腔内評価や口腔ケア
・嚥下訓練の実施
・嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)による嚥下機能評価
・適切な食事形態の提案
・食事時のポジショニングや食事介助 ほか
日本老年歯科医学会 摂食機能療法専門歯科医師 |
長谷 剛志歯科医師(アドバイザー) |
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日本看護協会 認定看護師 摂食嚥下障害看護認定看護師 |
中田 陽平看護師、設樂 栄幸看護師 |
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士 |
設樂 栄幸看護師 |
2)嚥下内視鏡検査について
嚥下内視鏡検査は、先端外径φ2.4mmという細い内視鏡を鼻(鼻腔)から挿入し観察します。まずは、のど(咽頭)の唾液のたまり具合を評価します。続いて、少量の着色したとろみありの水やとろみなしの水、ゼリー、ペースト食やお粥などの実際の食事を飲み込んでもらいます。飲みこみが起こるタイミング、飲み込んだ後の残留の程度、気管への流入(誤嚥の有無)、噛む状態(咀嚼状態)、咳反射の起こりやすさ等を観察することにより、嚥下の状態を評価(兵頭スコア)することができます。
この評価結果により、今後の嚥下訓練の可否や程度、食事形態や食事時の姿勢等について方針を決定していきます。
当院では外来診察室で行っていますが、病室(ベッドサイド)でも検査を行うことができます。
なお、当院では内視鏡を介する感染事故を防止するため、感染対策も重要視しています。当院では内視鏡の自動洗浄機を導入し、検査ごとに自動洗浄機にて完全に消毒してから次の患者様に使用しておりますのでご安心ください。
嚥下内視鏡検査担当医師 | 川上 理医師(金沢医科大学病院 摂食・嚥下センター 助教)、野村 祐介医師(日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定 消化器病専門医、日本消化管学会認定 胃腸科認定医・専門医、日本内科学会認定 総合内科専門医) ほか |
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血管アクセスデバイスチーム(VAD Team:Vascular Access Device Team)
1)血管アクセスデバイスチームについて
摂食嚥下障害などにより口から食事を摂取することが不良な場合、静脈からの輸液を目的として選択される方法(血管アクセスデバイス)としては末梢静脈カテーテル(PVC:Peripheral Venous Catheter)、中心静脈カテーテル(CVC:Central Venous Catheter)、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、中心静脈ポート(CVポート:Central Venous Port)などがあります。
栄養状態の悪い患者様や、1週間以上食べ物を口から食べることができない患者様などに対しては中心静脈栄養が適応になります。中心静脈栄養は高カロリー輸液ともいわれ、高濃度であるため手の血管など末梢静脈から高カロリー輸液を投与すると血管痛や静脈炎を起こしてしまいます。
当院では患者様への負担及び安全性を考慮し、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を用いて中心静脈栄養を行っております。
また、長期間にわたり薬剤投与を行わなければならない場合などには、中心静脈ポート(CVポート)を選択することもあります。
当院では血管アクセスデバイスによる治療が必要な患者様に対し、医師・看護師・診療放射線技師で構成された血管アクセスデバイスチームがアプローチし、多職種連携によるチーム医療を実践しています。
2)末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)について
中心静脈栄養が必要な場合、従来は鎖骨や首付近にある静脈から管を挿入することが一般的でした。しかし、動脈誤穿刺(誤って動脈を刺してしまう状態)や気胸(肺に穴が空いて肺から空気が漏れる状態)、血胸(肺が傷ついて肺が収納されている空間である胸腔内に血液が溜まった状態)などの機械的合併症が生じる可能性がありました。
また、近年では中心静脈カテーテル挿入における穿刺時の致命的な合併症が大きな問題となっています。一般社団法人日本医療安全調査機構 医療事故調査・支援センターの提言では、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)の検討を推奨しています。
末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)は、腕から挿入する中心静脈カテーテルです。他の中心静脈カテーテルと比較して、腕から比較的簡単に挿入でき、致死的合併症や挿入後感染などのリスクも少ないのが特徴です。
3)中心静脈ポート(CVポート)について
中心静脈ポート(CVポート)は、100円硬貨程度の大きさのポート本体と薬剤を注入するカテーテルより構成されています。
首付近にある静脈(内頸静脈)からカテーテルをいれ、首の皮膚の下に埋め込みます。
なお、中心静脈ポート(CVポート)を体に埋め込むため小手術を必要とします。
PICC担当医師 | 野村 亮介医師(日本消化器病学会認定 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会認定 肝臓専門医、日本消化管学会認定 胃腸科専門医、日本内科学会認定 総合内科専門医) ほか |
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CVポート担当医師 | 奥出 輝夫医師(日本外科学会認定 外科専門医、日本消化器外科学会認定 消化器外科専門医、日本消化器病学会認定 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医) |
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)は、GLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)基準による栄養状態の評価を行い、患者様の栄養管理を個々の症例に応じて医師、看護師、薬剤師、管理栄養士がそれぞれの専門的な知識・技術を生かしながら多職種で実践するチームです。
栄養管理とは全ての患者様に必要な医療であり、栄養状態の安定により治療の効果が発揮される一方、栄養状態が悪いと免疫能の低下等から他の合併疾患を発症することがあります。
当院では、栄養管理に係わる研修を修了した多職種の医療スタッフがチーム医療を行い、栄養状態をより良くするためのサポートをしております。
なお、当院は日本病態栄養学会認定 栄養管理・NST実施施設です。
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士 |
森 暁子薬剤師、設樂 栄幸看護師 |
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日本病態栄養学会認定 病態栄養専門管理栄養士 |
酒井 真里子管理栄養士 |
排尿自立支援チーム (CCT: Continence Care Team)
当院では排尿自立支援が必要な患者様に対し、医師、皮膚・排泄ケア認定看護師及び専任看護師、理学療法士、薬剤師で構成された排尿自立支援チームがアプローチし、多職種連携によるチーム医療を実践しています。
排尿自立支援チームの活動目的は可能な範囲で膀胱留置カテーテルを1日でも早く抜去し、尿路感染を防ぐとともに排尿自立に導くことです。
排尿の自立は、人としての尊厳を保つためだけでなく、ADLの維持・向上にもつながる可能性が高くなります。
当院では排尿自立支援チームが週1回院内ラウンドを行い、排尿日誌や簡易超音波画像診断装置を用いた残尿量測定結果等を用いてカンファレンスも行い、よりよい排尿ケアが提供できるよう日々活動しております。
日本看護協会 認定看護師 皮膚・排泄ケア認定看護師 |
近村 厚子看護師 |
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褥瘡対策チーム (PUT: Pressure Ulcer Care Team)
褥瘡とは、体のある部位が寝たきりなどによって長時間圧迫されたことにより、その場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまうことをいいます。一般にいう、床ずれのことです。
褥瘡があると、痛みなどによりQOL(生活の質)の低下をきたすとともに、感染を引き起こすこともあります。
このため、褥瘡対策チームでは褥瘡予防や治療、再発しにくい療養環境を整えるために、医師、皮膚・排泄ケア認定看護師及び専任看護師、専任介護士、理学療法士、薬剤師、管理栄養士が多職種で連携しチーム医療を行っています。
日本看護協会 認定看護師 皮膚・排泄ケア認定看護師 |
近村 厚子看護師 |
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認知症ケアチーム(DCT:Dementia Care Team)
認知症ケアチームでは医師・専任看護師、専任介護士が多職種連携によるチーム医療を実践し、より良い認知症ケアを目標にして活動しています。
2025年には65歳以上の5人に1人は認知症となる時代になるため、2023年11月より魚津緑ヶ丘病院副院長 兼 にいかわ認知症疾患医療センター長で日本精神神経学会精神科専門医・指導医である紋川 明和医師の指導のもと、認知症ケアチームの活動を強化しています。
日本精神神経学会 精神科専門医・指導医 |
紋川 明和医師 |
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オーラルフレイル対策と医科歯科連携について
フレイルは、高齢期になり心身の機能や活力が衰え虚弱になった状態として、2014年に日本老年医学会が提唱した概念です。
オーラルフレイルとは、口腔に関する軽微な衰えを放置したり、適切に対応しないままにすることで、口腔機能の重篤な低下や心身の機能低下まで繋がる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念です。
オーラルフレイルとは4つのレベルで構成されます。
「第 1 レベル 口の健康リテラシーの低下」は、口腔健康に対する自己関心度(口腔リテラシー)の低下から歯の喪失リスク高まる段階です。
「第 2 レベル 口のささいなトラブル」は、滑舌低下や食べこぼし、むせといったささいな口の機能低下が食品多様性の低下や食欲低下を招き口の機能低下が進む段階です。
「第 3 レベル 口の機能低下」は口腔機能低下症と診断される段階であり、咬合力や舌運動の低下など口腔機能低下が顕在化し低栄養やサルコペニアに陥る段階です。
「第 4 レベル 食べる機能の障がい」は、咀嚼障害や摂食嚥下機能低下から、栄養・運動障害、要介護状態に至る段階です。
当院では、北陸で唯一の日本老年歯科医学会摂食機能療法専門歯科医師 長谷 剛志歯科医師の指導の下、歯科衛生士を中心に医科歯科連携によるオーラルフレイル対策に取り組んでおります。
日本老年歯科医学会 摂食機能療法専門歯科医師 |
長谷 剛志歯科医師(アドバイザー) |
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超高齢社会とmultimorbidity(マルチモビディティ:多疾患併存)とポリファーマシーについて
わが国は65歳以上の割合が21%を超えた超高齢社会となっており、これを反映し入院している患者様の多くが複数の慢性疾患を有しているmultimorbidity(マルチモビディティ:多疾患併存)であるといえます。
multimorbidity患者の場合、ポリファーマシーが生じやすくなります。
ポリファーマシーとは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態とされています。
ポリファーマシーへの介入は単純に減薬(deprescribing)すれば良いものではなく、必要な服薬を中止することで病態が悪化することもあるため、専門医を含めた多職種チームで介入・減薬・評価しております。
日本老年医学会 老年科専門医・指導医 |
野村 祐介医師 |
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認知症に対応しそして支えるために ~認知症700万人時代に病院全体で立ち向かう~
障害調整生存年(Disability-adjusted life years:DALYs)は、傷病、機能障害、危険要因、社会事象毎に健康に影響する大きさを定量的に取り入れた健康指標です。
DALYsの求め方は、障害生存年数、すなわち障害を有することによって失われた年数(Years lived with disability:YLDs)と早死損失年数、すなわち早死にすることによって失われた年数 (Years of life lost、YLLs)の合計で算出されます(DALYs=YLDs+YLLs)。1 DALYは、本来健康状態で過ごすはずだった1年間を損失したと考えることができます。
超高齢社会が進行する我が国では、2025年には65歳以上の5人に1人は認知症となる時代、すなわち認知症約700万人時代へ突入します。さらに、2040年のDALYs rateの将来推計において、男女ともアルツハイマー病、転倒の上昇が予測されています。
医療法人社団尽誠会 野村病院では、認知症を正しく理解し対応できるスタッフ教育を行い、認知症ケア加算2を算定しています。
また、2023年11月より魚津緑ヶ丘病院副院長 兼 にいかわ認知症疾患医療センター長で日本精神神経学会精神科専門医・指導医である紋川 明和医師に認知症ケアチームに加わって頂いています。
医療法人社団尽誠会 野村病院では、医療・介護スタッフの力を結集し、未曾有の認知症時代に対応してまいります。
日本精神神経学会 精神科専門医・指導医 |
紋川 明和医師 |
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「病院完結型医療」から「地域完結型医療」への転換と地域包括ケアシステムについて
野村病院は、1967年(昭和42年)の開院以来、一貫して水橋及び水橋周辺地域の慢性期医療に携わってきました。時代と共に求められるニーズは変化し、65歳以上の割合が21%を超えた超高齢社会の現在では慢性疾患をいくつも抱えながら生活せざるを得ない患者さんが増えてきました。
以前は患者さんを「治す」ことを主目的としていましたが、今後は介護・福祉とも連携し「治し支える」ことへの転換が重要になってきます。すなわち、病院完結型医療から地域完結型医療への転換が重要になってきます。
それに対応できる医療・介護提供体制を整備するため、野村病院併設の「介護療養型老人保健施設 尽誠会」を2020年(令和2年)に「介護医療院 尽誠会」へ転換しました。また、グループ内の「白岩川有料老人ホーム」内に、2019年(令和元年)「のむら居宅介護支援事業所」と2020年(令和2年)「のむら訪問介護ステーション」を立ち上げ介護系の機能強化を行いました。
慢性期以降の医療・介護について野村病院グループで対応可能となることにより、水橋及び水橋周辺地域の方々が住み慣れた地域で暮らし続けることができるのではないかと考えております。
今後はより一層地域との医療・介護連携を強化し、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの実現に向けて、果たすべき役割を果たしていきたいと考えております。
白岩川有料老人ホーム
https://nomura-hospital.jp/shiraiwagawa/
日方江有料老人ホーム
https://nomura-hospital.jp/hikatae/