認知症DALYs rate上昇予測と認知症ケア加算2の算定開始について
2023.11.24
障害調整生存年(Disability-adjusted life years:DALYs)は、傷病や機能障害などによって失われた健康寿命を数値化する指標です。DALYsは、障害を有して生活した期間(YLDs)と、早期死亡により失われた寿命(YLLs)の合計で算出されます(DALYs=YLDs+YLLs)。この指標は、健康で生活できたはずの時間を損失した尺度として活用され、疾患の社会的負担の大きさを示します。
わが国では超高齢社会が進行しており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を患うと推計されています。いわゆる「認知症約700万人時代」の到来が目前に迫っており、2040年の将来推計においても、DALYsの上昇要因として男女ともにアルツハイマー病や転倒が挙げられています。
こうした社会的背景をふまえ、医療法人社団尽誠会 野村病院では、認知症に対する正しい理解と適切な対応を行うため、職員教育の実施や認知症ケア加算2の算定体制の構築などを進めています。
また、2023年11月より、魚津緑ヶ丘病院副院長 兼 にいかわ認知症疾患医療センター長である紋川明和医師(日本精神神経学会精神科専門医・指導医)が、当院の認知症ケアチームと連携しています。これにより、より多職種・専門的な視点を持ったチーム体制を強化しています。
当院では、今後も増加が見込まれる認知症の患者に対し、医療および介護の両面からの対応体制を整備し、院内の多職種連携を通じて、地域ニーズに即した認知症ケアの提供を目指してまいります。