認定看護師(CN)・診療看護師(NP)・特定看護師 の違いについて ~多職種連携によるチーム医療の推進~
2025.03.03
認定看護師(Certified Nurse: CN)について
1) 認定看護師とはどのような資格なのか看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める600時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。
審査合格後は認定看護師としての活動と自己研鑽の実績を積み、5年ごとに資格を更新します。
2)認定看護師はどんな活動をする看護師なのか
患者・家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら認定看護師の3つの役割「実践・指導・相談」を果たして、看護の質の向上に努めています。
日本看護協会 認定看護師 摂食嚥下障害看護認定看護師 |
中田 陽平、設樂 栄幸 |
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日本看護協会 認定看護師 皮膚・排泄ケア認定看護師 |
近村 厚子 |
診療看護師(Nurse Practitioner: NP)について
1) 診療看護師とはどのような資格なのか看護師として5年以上の実践経験を持ち、大学院修士課程での医学教育を修了し、日本NP教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験に合格することで取得できる資格です。
診療看護師は、患者の QOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができます。
審査合格後は、診療看護師の質の標準化を図るため、NP資格認定試験合格者に対し、5年ごとに資格を更新します。
日本NP教育大学院協議会は、 診療看護師(NP)、「日本NP教育大学院協議会が認めるNP教育課程を修了し、日本NP教育大学院協議会が実施するNP資格認定試験に合格した者で、患者のQOL 向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師」の育成を推進しています。
2) 診療看護師はどんな活動をする看護師なのか
診療看護師(NP)の役割は、医師、薬剤師等の他職種と連携・協働を図り、一定レベルの診療を自律的に遂行し、患者の「症状マネジメント」を効果的、効率的、タイムリーに実施することにより患者のQOLの向上を図ることです。
日本のNPは医師の包括的指示の下で、あらかじめ定められた特定行為を行うことができます。特定行為とは、厚生労働省が定めた行為であり、気管カニューレ交換や末梢留置型中心静脈注射用カテーテル(PICC) の挿入などを含み、現在では21区分38項目の行為が特定行為として定められています。
また、日常診療の中で医師と協働し診察、診断、治療を一緒に行うことがきます。
医療施設や在宅医療の場で、個々の患者の症状に対応した「症状マネジメント」をタイムリーに実施していくことにより疾病の重症化等を防止し、患者のQOLの向上を図ることができます。
3)多田 朋子診療看護師(医療法人社団尽誠会 野村病院 理事長補佐)からのコメント
近年、高齢化に伴う慢性疾患患者の増加・在宅医療の推進といった背景もあり、併存疾患を持ち合わせながら生活する方が増加しています。
患者様・利用者様が豊かな時間を過ごすために看護の視点と医学的視点を合わせ、タイムリーに!スピーディに対応し、患者様・利用者様の笑顔が見えるような医療提供ができるよう努めてまいります。
日本NP教育大学院協議会 診療看護師 特定看護師 |
多田 朋子 |
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特定看護師・看護師特定行為について
超高齢社会が進展し、加えて医療の高度化・複雑化が進む中で、質が高く安全な医療を提供するため、チーム医療の推進が必要です。医療資源が限られる中で、それぞれの医療従事者が高い専門性を発揮しつつ、互いに連携し、患者様の状態に応じた適切な医療を提供することが求められています。このため、看護師には、患者さんの状態を見極め、必要な医療サービスを適切なタイミングで届けるなど、速やかに対応する役割が期待されています。
特定看護師とは、特定行為をおこなうために必要な研修を修了した看護師を指します。
特定行為とは、医師の指示に基づいて作成した手順書に準じて、看護師が行う診療の補助行為であり、厚生労働省が定める21区分38行為となっています。
特定行為研修とは、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であって、特定行為区分ごとに特定行為研修の基準に適合するものと定義されています。
特定行為研修を受けた看護師が、患者様の状態を見極めることで、タイムリーな対応が可能になります。また、患者様やご家族の立場に立ったわかりやすい説明ができ、「治療」と「生活」の両面からの支援の促進に貢献します。
特定看護師 | 近村 厚子 皮膚・排泄ケア認定看護師 |
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特定行為区分 | 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
特定看護師 | 設樂 栄幸 摂食嚥下障害看護認定看護師 |
特定行為区分 | 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 |
特定看護師 | 多田 朋子 診療看護師 |
特定行為区分 | 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 ろう孔管理関連 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 創傷管理関連 創部ドレーン管理関連 動脈血液ガス分析関連 透析管理関連 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 感染に係る薬剤投与関連 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 術後疼痛管理関連 循環動態に係る薬剤投与関連 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 皮膚損傷に係る薬剤投与関連 |
