富山県富山市の医療法人社団尽誠会 野村病院

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慢性期病院・療養型病院における言語聴覚士とはどんな仕事内容か ~言語聴覚士になるには? 言語聴覚士国家試験とは? 言語聴覚士の将来性とは?~

2025.03.07

言語聴覚士の仕事とチーム医療における役割

言語聴覚士の主な仕事は、嚥下(えんげ)障害や、言語によるコミュニケーションに困難を抱える方を対象に、評価・訓練・指導などを行うことです。評価に基づいて、個々の状況に応じた支援を提供し、生活の質の向上を図ります。

言語聴覚士になるには、高校卒業後、文部科学大臣または都道府県知事が指定した大学や養成校に入学し、必要な知識や技術を学んだ上で、国家試験に合格する必要があります。

国家試験は年に1回実施され、筆記形式で行われます。試験科目は、基礎科目(23科目・100問)と専門科目(9科目・100問)で構成されています。令和6年(2024年)2月に実施された第26回言語聴覚士国家試験の合格率は72.4%でした。

日本では超高齢社会が進行しており、これに伴い、摂食・嚥下障害に対するリハビリテーションの需要も高まっていると考えられています。こうした中で、病院における言語聴覚士の役割もより重要になっています。



医療法人社団尽誠会 野村病院における取り組み

医療法人社団尽誠会 野村病院では、多職種が協力し合うチーム医療を大切にしています。その一つとして、摂食嚥下障害を有する方への支援を行う「摂食嚥下サポートチーム」を組織しています。

このチームは、以下の職種によって構成され、各専門職が連携して支援にあたっています:

  • 医師
  • 歯科医師
  • 看護師(摂食嚥下障害看護認定看護師、専任看護師)
  • 言語聴覚士
  • 作業療法士
  • 理学療法士
  • 歯科衛生士
  • 管理栄養士

このチームでは、摂食・嚥下機能の改善や誤嚥性肺炎の予防・軽減を目的に、対象となる患者さん一人ひとりに応じた支援を提供しています。

また、対象となる方に対しては「摂食嚥下機能回復体制加算2」を算定しており、チームによる包括的な支援を体制的にも整えています。

さらに、金沢医科大学病院 摂食・嚥下センターと連携し、嚥下内視鏡カンファレンスを通じて、診断や治療の方向性について意見交換を行い、より専門的かつ継続的な支援につなげています。



おわりに

尽誠会 野村病院では、今後も地域の医療ニーズに応えられるよう、専門職が連携するチーム医療の推進に取り組んでまいります。言語聴覚士をはじめとする多職種の専門性が有機的に活かされる医療体制の構築を通じて、患者さんの生活機能の維持・向上に貢献していきます。

 

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