医療療養病床(医療療養型病院)・介護療養病床(介護療養型病院)・介護医療院の違いとは?
2025.06.02
1) 療養病床と療養型病院とは
医療法において病院は、一般病床・療養病床・精神病床・感染症病床・結核病床の5種類に分類されます。
療養病床とは、主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床と定義されます。
一般に、病院の主な病床が療養病床である病院を療養型病院といいます。
2) 医療療養病床と介護療養病床とは
療養型病院のうち、主に医療を必要とする方は医療保険からサービスを給付する医療療養病床に入院し、主に介護を必要とする方は介護保険からサービスを給付する介護療養病床に入院していました。
しかし、平成18(2006)年の診療報酬・介護報酬同時改定に際し、実態調査の結果、医療療養病床と介護療養病床で入院患者の状況に大きな差が見られなかったことから、介護療養病床の平成23(2011)年度末での廃止が決定されました。
しかし、介護療養病床の老人保健施設等への転換が進んでいない状況を踏まえ、転換期限が平成29(2017)年度末まで6年延長されました。
その後、介護療養病床については、経過措置期間を令和5(2023)年度末まで延長することとされ、令和6(2024)年3月末に廃止されました。
すなわち、現在療養病床としては医療療養病床のみが存在しています。
介護療養病床の役割は、平成30(2018)年4月創設の介護医療院へ引き継がれました。
3) 介護医療院とは
介護医療院とは、長期的な医療と介護のニーズを併せもつ要介護高齢者を対象とする、長期療養・生活のための施設になります。
日常的な医学管理や看取り・ターミナルケア等の医療機能と、生活施設としての機能を有しています。
施設類型としてはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は介護療養病床相当、Ⅱ型は老人保健施設相当以上になります。
また、介護医療院は生活施設としての機能を併せもつことから、面積基準は老人保健施設相当以上(8.0㎡以上)が求められ、プライバシーに配慮した環境整備、例えば多床室の場合でも家具やパーティション等による間仕切りの設定も求められます。
なお、介護医療院 尽誠会はⅡ型介護医療院であり、全室個室のプライバシーに配慮した環境が整備されています。
4) 多職種連携によるチーム医療を推進、人を尊重する慢性期治療病院である野村病院
療養型病院かつ慢性期病院である野村病院では「私たちは、富山県内の医療・介護ニーズに応え、慢性期以降の患者・利用者の人生を支えます」をミッション
(果たすべき使命・役割)として掲げています。
当院に転院されてくる方は複数疾患に罹患している高齢者が多く、それぞれの生活や社会背景も様々です。このため、多職種連携によるチーム医療が重要になってきます。
当院では、それぞれの方のニーズに応じて、摂食嚥下サポートチーム、栄養サポートチーム、排尿自立支援チーム、褥瘡対策チーム、認知症ケアチームなどが多職種連携によるチーム医療を行っています。
慢性期病院と療養型病院の違いについて
https://nomura-hospital.jp/news/news_detail.php?news_id=327
5) 介護テクノロジー活用で介護DXを推進、先進的介護施設である介護医療院 尽誠会
野村病院では“治し支える医療”に対応できる医療介護連携体制を構築するため、野村病院内の4階に「介護医療院
尽誠会」があります。
また、グループ内には「白岩川有料老人ホーム」と「日方江有料老人ホーム」があります。
退院支援にあたっては「のむら居宅介護支援事業所」「のむら訪問介護ステーション」もサポートしています。